大人の習い事を続ける心の習慣|気持ちを整えるヒント【ライフスタイル #5】

大人になってから始めた習い事、ふと「なんとなくやる気が出ないな…」と感じることはありませんか?
忙しい毎日の中で、家事や仕事、家族のことに追われながら、自分だけの時間や心の余白を持ち続けるのは簡単ではありません。

特に40代・50代・60代の女性は、体や環境の変化も感じやすく、習い事に向き合うモチベーションが揺らぎやすい時期でもあります。
だからこそ、習慣にしたいのは「気持ちを整えること」。

私が教える大人バレエのクラスでも、動きを覚えるだけでなく、心と身体を整える時間が、暮らしの支えになる場面をよく見かけます。

今回は、習い事を無理なく楽しみながら続けていくための“心の整え方”をご紹介。
自分のペースで、学びも暮らしも心地よく楽しみたいあなたへ、ぜひ読んでいただきたい内容です。


目次


1.モチベーションが揺らぐのは自然なこと

バレエを習っていると、ある日ふと「今日は行く気になれないな…」「最近あまり上達していない気がする」と感じることがあります。それは、あなたが何かを「続けている」証拠です。

誰にでも波がありますし、心の状態は日々の生活や体調の影響を大きく受けます。
モチベーションが揺らぐのは、ごく自然なこと。大切なのは、その波と上手に付き合っていくことです。

「やめたいわけじゃない」気持ちの揺らぎ

やめたいわけじゃない。でも、なんだか気が重くなる。
そんな気持ちになる背景には、大人ならではの「生活の揺らぎ」があります。

  • 仕事や家事が立て込んで、心に余裕がなくなる
  • レッスンで思うように動けず、自信をなくす
  • 周りと比べて、劣等感が出てくる
  • 身体が疲れていて、気力が出ない

こうした感情は、バレエの技術や経験に関係なく、誰にでも起こるものです。

「心のコンディション」を整えるという視点

だからこそ、意識したいのは「心のコンディション」
続けることを支えるのは、身体だけでなく、“気持ち”の整え方でもあります。

次の章では、そんな気持ちを整えていくヒントを、日々の習慣や考え方から探っていきます。

2.“気持ちを整える”ってどういうこと?

気持ちが整っている状態とは

「気持ちを整える」と聞くと、「もっとポジティブにならなくちゃ」「明るく元気でいないと」というイメージを持ってしまいがちですが、実はそうではありません。

気持ちが整っているとは、何も「前向きで元気いっぱい」な状態を指すわけではないのです。
むしろ――

  • 心の中が静かでざわついていない
  • 余計なことに引きずられず、目の前のことに向き合える
  • 自分の感情を客観的に眺められている
  • 焦りや怒り、不安などの「波」に巻き込まれにくい

そんな“穏やかで澄んだ心の状態”が、気持ちが整っているということ。

たとえば、バレエのレッスン中。
自分の動きに丁寧に意識を向けながら、アームスを流れるように動かす。
バーにそっと手を添え、呼吸とともに脚を伸ばす。
そんな時間の中で、ふと心が静まり、集中が深まっていく――。

このときの心の状態は、まさに「気持ちが整っている」と言えるのではないでしょうか。

もちろん、いつもそんな状態でいられるわけではありません。
でも、少しずつ“整う感覚”を知っていくと、「今日はちょっと乱れているかも」「今、落ち着いてるな」と、自分の心の状態に気づけるようになります。

そして、「気づけること」が、整える第一歩。

私たちは感情をなくすことはできませんが、
感情にのまれすぎないように、うまく距離をとって付き合うことはできます。

そのために「自分を整える習慣」が、大人の習い事の時間においても日常においても、大きな味方になってくれるのです。

習いごとと、気持ちのコンディション

どんな習いごとでも、取り組むときの「気持ちの状態」は、思っている以上に影響を与えるものです。

たとえば気持ちがざわついている日は、集中できなかったり、いつもはスムーズにできることがなぜかうまくいかなかったり。
逆に、心が落ち着いていると、自然と呼吸が深くなったり、動きにムリがなくなることもあります。

バレエを例に取ると、気持ちが揺らいでいる日は、なぜか立ちにくかったり、動きが重く感じられたり。
逆に、心が穏やかで落ち着いていると、無理をしていないのに自然と動きが整っていたり、バランスがとりやすかったりすることもあります。

これは、心と身体が切り離せない関係にあるということの表れかもしれません。

特に大人の習いごとは、「技術の習得」だけでなく、その時間をどう味わい、どう自分と向き合うかも大切な要素のひとつ
上達を目指すだけでなく、そこにある「自分を整える時間」としての豊かさにも目を向けたいですね。

次の章では、そんな「心を整える習慣」を日々の暮らしの中でどう育てていけるか、ご紹介していきます。

3.大人バレエに見る“続けられる私”になるための5つの心の習慣

バレエを長く続けていると、「技術的な伸び」だけでなく、「心の持ち方」や「向き合い方」が、継続の鍵になっていることに気づきます。

特に、大人になってから始めたバレエは、若い頃のような即効性や勢いではなく、“ゆっくりでも、自分らしく続けていくこと”の大切さを教えてくれる存在。

ここでは、そんな大人バレエの経験をもとに見えてきた、心の習慣をご紹介します。

これらは、習いごとや趣味全般、そして日々の暮らしの中で何かを「無理なく続けていきたい」と願うすべての人にとっても、きっと役立つはずです。

①完璧主義をやわらげる

「全部できないと意味がない」「間違えたら恥ずかしい」——
そんな完璧主義の気持ち、バレエを学ぶ大人の多くが、一度は感じたことがあるのではないでしょうか。

でも実は、その“完璧を求める気持ち”こそが、自分のやる気や楽しさを静かに削いでしまっていることもあります。バレエはとても奥深く、終わりのない世界。最初からすべてが思い通りにできる人なんて、誰もいません。

だからこそ、考え方を少し変えてみましょう。

「今日は、1つでも学べたらOK」
「スタジオに来られただけで、もう十分えらい」
「鏡の前で立ってみた。それだけでも一歩前進」

——そんなふうに、“できなかったこと”ではなく、“できたこと”に目を向けてみるのです。

完璧を求めるよりも、「今の自分を受けとめて、一歩ずつ育てていく」
その姿勢のほうが、ずっと前向きで、続けやすくて、そして何より、あなたらしいバレエに近づいていけます。
「今日はどこか1ヶ所、前より丁寧にできた」
「昨日より、ちょっと気持ちよく動けた」

そんな小さな“よかった探し”が、あなたのバレエ習慣を支えてくれるのです。

②「できたこと」に目を向ける

レッスンが終わったら、ぜひ少しだけ立ち止まって自分を振り返ってみましょう。
「今日、意識できたことは何だろう?」
「少しでもよくなった動きはどこだろう?」
そんな問いかけを自分に向けることが、とても大切です。

バレエはすぐに結果が見えるものではなく、上達の実感が持ちにくいことも多いですよね。時には「昨日と何も変わっていない」と感じて落ち込むこともあるかもしれません。けれど、その裏では、あなたの身体や心は少しずつ変わり、確かな積み重ねが続いています。

たとえば、今日は足のポジションに気をつけられた、
呼吸が自然にできた、
姿勢を意識できた、
そうした“できたこと”を自分で認めることは、モチベーションの大きな支えになります。

また、振り返る時間を持つことで「自分は着実に前に進んでいる」という感覚が生まれ、バレエへの自信と愛着が深まっていきます。自分の成長を感じられると、次のレッスンへの意欲も自然に湧いてきますよね。

焦らず、急がず、毎日の小さな「できたこと」に目を向けることが、あなたのバレエライフをしっかり支えてくれます。そうした積み重ねが、やがて大きな自信となり、「続けたい」という気持ちを育んでいくのです。

③比較から距離をとる

バレエのクラスで、ふと周りの人と自分を比べてしまうことはありませんか?
「なんであの人はあんなに上手なんだろう」
「自分はまだまだだな…」
そう感じて、落ち込んでしまうこともあるでしょう。

でも、忘れてはいけないのは、人にはそれぞれ違ったペースや背景があるということ。
仕事の忙しさ、体調、家族の状況、これまでの運動経験など、あなたが背負っているものはあなたにしかわかりません。だからこそ、他人と比べても意味がないのです。

むしろ、自分自身の歩幅で、自分のペースで進むことこそが、本当の成長につながります。
「私は私の道を歩んでいる」
そう自分に言い聞かせることができると、心は自由になり、バレエをもっと楽しめるようになります。

比較することは時に刺激にもなりますが、過度になると心の負担になりやすいもの。
そんなときは、深呼吸をして自分に立ち返り、“自分らしさ”を大切にすることを意識しましょう。
自分の進み方を認めることで、焦りや不安が和らぎ、長くバレエを続けるための心の強さが育まれます。

④“好き”に立ち返る時間をつくる

忙しい毎日の中で、つい「なぜバレエを始めたのか」という初心の気持ちを忘れてしまうことはありませんか?
仕事や家事、育児、その他のさまざまな役割に追われると、バレエはただの「やらなければならないこと」になりがちです。

そんなときは、あえて意識的に“好き”に立ち返る時間を作ってみましょう
たとえば、昔の発表会の写真や動画を見返して、当時の感動や高揚感を思い出すのも効果的です。
また、お気に入りのレオタードを久しぶりに着てみたり、新しいレオタードを選んでワクワク感を取り戻すのもおすすめです。

そうした小さな行動は、忙しさに埋もれた「バレエが好き」という純粋な気持ちを呼び起こし、また踊りたいというエネルギーを再燃させてくれます

さらに、好きなバレエの曲を聴いたり、憧れのバレリーナの動画を観るのも、心を豊かにし、モチベーションを高めるきっかけになります。

この“好き”に立ち返る時間は、単なる気分転換以上の意味を持ちます。
それは、あなたのバレエの原点を再確認し、日々のレッスンや練習を続けるための大切なエネルギー源となるのです。

だからこそ、忙しい毎日の中でも、ほんの少しでも「バレエが好き」という気持ちに触れる瞬間を大切にしてみてください。
その積み重ねが、また新たな一歩を踏み出す力になります。

⑤「また行きたい」と思える環境を選ぶ

バレエを続ける上で、レッスンの内容や自身の技術だけでなく、通うスタジオの雰囲気や先生との関係、そして一緒に学ぶ仲間の存在もとても大切です。
実際、「どこで」「誰と」学ぶかは、モチベーションの維持や心地よさに大きく影響します。

例えば、スタジオの空間が自分にとって居心地がよく、リラックスできる場所であれば、自然と通うのが楽しみになります。
先生が優しく丁寧に指導してくれるだけでなく、個々のペースや気持ちを尊重してくれる環境ならば、安心して挑戦できるでしょう。
また、同じ目標や価値観を持つ仲間がいることで、励まし合い、共に成長する喜びを感じられます。

逆に、ストレスを感じたり、気疲れしてしまう環境では、バレエを続けること自体が負担になってしまうこともあります。
そのため、自分に合う環境を見つけることは、長く続けるための大切なポイントです。

もし今のスタジオやクラスに違和感があったり、不安を感じるなら、勇気を持って環境を見直すのも一つの選択肢です。
自分が「また行きたい」「ここなら安心して続けられる」と感じられる場所を選ぶことで、バレエがもっと身近で楽しい存在になるはずです。

自分にとって心地よい環境を見つけることは、バレエの技術だけでなく、心の健康や持続力を支える土台となります
だからこそ、環境選びも「大人のバレエライフ」を楽しむ上で欠かせない大切な要素なのです。

4.続けている人ほど、揺らぎを知っている

バレエを長く続けている人ほど、「気持ちが下がる時期」や「やめたくなった時期」を経験しているものです。
むしろ、そうした揺らぎがあるからこそ、続ける価値や自分にとっての意味を見つめ直す機会にもなっています。

たとえば、「最近上達を感じられない」「忙しくてレッスンに行くのが億劫」「周囲と自分を比べて落ち込む」などの気持ちが浮かぶことは、多くの大人バレエ経験者が通る道です。
これらは決して失敗ではなく、むしろ成長の過程や自分自身と向き合う時間のひとつと考えられます。

長く続けている方は、その揺らぎの中でも焦らず、無理せず、他人と比べず、自分のペースを大切にしながら乗り越えてきました
そうした経験があるからこそ、「今は調子が悪いけれどまた戻れる」と心に余裕を持てるのです。

だから、あなたも安心してください。心が揺れ動くのは自然なことですし、それは「大人バレエの道のり」における通過点のひとつ
それを受け入れ、やさしく自分を見守ることで、より長くバレエと楽しく向き合い続けられるでしょう。

このように、揺らぎを知っている人ほど、バレエを深く理解し、心と身体のバランスを取りながら続けられているのです。
あなたもその一歩を踏み出し、自分らしいペースで進んでいきましょう

5.まとめ|気持ちを整えながら、私らしいペースで

40代、50代、60代と、それぞれのライフステージの中でバレエと向き合う時間は、忙しい日常のなかでの「特別な自分時間」です。
そして、これはバレエに限らず、さまざまな習い事や趣味の時間にも共通する、大切なひとときでもあります。

そのかけがえのない時間を、心から楽しみ充実させるためには、まず「気持ちを整える」ことがとても大切になります。

モチベーションが下がったり、思うように体や心が動かなかったりする日があっても、どうか自分を責めないでください。
それは誰にでもある自然なこと。そんなときは、焦らずやさしく自分を受け止める気持ちを持つことで、心が少しずつ軽くなります。

「気持ちの揺らぎ」を理解し、整える習慣を育てることで、無理なく続けられる自分に近づいていきます
そして、長くバレエや習い事と向き合う中で、自分らしいペースをつかみ、心地よく楽しむ喜びがますます深まるでしょう。

バレエは単なる技術や動きの習得だけでなく、自分自身と対話し、心と身体を大切に育てていくプロセスです。
これはほかの習い事や趣味にも共通する、心豊かに続けていくための大切な姿勢と言えます。

だからこそ、あなたのペースで、日々の小さな気持ちの整えを大切にしながら、ゆったりと歩んでいきましょう。

今日も明日も、自分を労わりながら、「続けられる私」を育てる一歩を踏み出してください。
その積み重ねが、豊かなバレエライフや習い事ライフ、そして輝く未来へとつながっていきます🕊️

「大人女性のライフスタイル」シリーズ

バレエをはじめ、日々の習いごとや暮らしを通して、心と体を整えていく——。
このシリーズでは、40代以降の大人女性が、自分らしく健やかに過ごすためのヒントをお届けしています。
気負わずに続ける習慣づくりや、自分を見つめる時間の持ち方など、
忙しい日々のなかでこそ大切にしたい“自分時間”の整え方を、やさしく丁寧に綴っています🌿

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